SOUNDPEATSより価格破壊、崩壊を狙ったと言っても良いSOUNDPEATS C30というカナル型イヤホンが出ました。
定価はアンダー5,000円。セール時にはもっと安くなる脅威のコスパを維持しながら、価格対比でみたときに強力なノイキャンを搭載し、さらに音質も妥協していない驚きの性能なんですね。
今回、メーカー様より実機をご提供いただいたので、率直な感想をレビューします。
SOUNDPEATS C30をレビュー♪
SOUNDPEATS C30の通常音質
SOUNDPEATS C30の通常音質は、SOUNDPEATSの中ではちょっと低音強めなチューニングがされていますが、高音の抜け感も程よい良機となっています。
搭載ドライバーは12mmチタン複合ドライバーです。
メーカーが言う通り、低音のビートが強めに出ているのが特徴で、さらにBAドライバーを搭載していないものの、かなり高音の抜け感がきれいに出ています。
個人的な印象ですが、SOUNDPEATSは元々、高音の抜け感に強みを持っているメーカーだと思っていたので、この音質傾向自体は驚かないものの、この価格帯でこのきれいな音質を維持していることが、ただただ驚異的なんです。
解像度も同価格帯の中では抜きん出ているので、本当に妥協しなかったんだなという印象が強い一台。
ケースが簡素化した印象以外、音質面での妥協はありません。
ちなみに、同価格帯のイヤホンだと、低音を強くしすぎて曇り気が出ていたり、高音が軽いか、高音の抜け感がイマイチというパターンが多いんですが、SOUNDPEATS C30の高音の抜け感は全然悪くなく、むしろ、下手な5,000円から10,000円台のイヤホンを買うより、SOUNDPEATS C30の方が性能が良かったりします。
ペアリングに一癖あるように感じたポイント以外は及第点以上の高得点をあげたくなっちゃう、そんなイヤホンです。
とりあえず、イヤホン選びに迷ったらSOUNDPEATS C30を買っておけば間違いないと言える超コスパ型イヤホンです。
SOUNDPEATS C30のハイレゾ音質
SOUNDPEATS C30はアンダー5,000円ながらLDACに対応しています。
iPhoneでは原則ハイレゾ音源を楽しむことができませんが、Androidスマホやウォークマンを持っている方はハイレゾ音源を楽しむことができます。
ハイレゾにすると音のボリューム感が増し、特に高音の音圧が強くなるように感じました。
音圧が強くて髪の毛が風でそよぐのではないかと思うほどの勢いを感じられるので、高音好きには刺さる音質です。
他方で、刺さり気が強くなるので聴き疲れしやすくなる可能性が高いので、その点はご注意ください。
これも個人的な感想ですが、SOUNDPEATSの上位モデルのハイレゾと比較すると、音が少しつまったように感じました。
SOUNDPEATSの上位モデルだと、より開放的な高音域を楽しめます。
それこそ、音楽、楽器、歌声といった諸々がシャワーのように降り注ぐ感覚を味わえるほどにすごいんですね。
その点、SOUNDPEATS C30だと、もう少し音質を解放できたんじゃないかという印象を拭えませんでした。
その点では、SOUNDPEATS C30は最エントリーモデルという位置づけなので、ある意味ではハイレゾ入門機という位置づけなのかもしれません。
普段iPhoneで聴いている音楽とは迫力の違いを感じ取れるだけの高音質だったことは間違いありません。
SOUNDPEATS C30のムービーモード(立体音響)
SOUNDPEATS C30には立体音響のムービーモードが搭載されています。
こういったモードがアンダー5,000円クラスで搭載されているのも珍しいんですよね。
聴いてみたところ、立体感は思ったより強くなく、低音がブーストされて前に出てきたなという印象です。
SOUNDPEATS C30は元々低音が少し強く感じられましたが、SOUNDPEATS C30の低音は現場で生の音を聴いているかのような臨場感、再生感が出ていました。
立体音響を使うためというよりも、低音を自然にブーストさせるために使うというのも一つの方法だと思います。
SOUNDPEATS C30のムービーモードは悪くないですね。
SOUNDPEATS C30のノイキャン性能
SOUNDPEATS C30には特殊なノイキャンが搭載されています。
今回のSOUNDPEATS C30には、インテリジェントANCというモードが実装されているんです。
このインテリジェントANCとは何かというと、SOUNDPEATS C30を装着した瞬間に、耳の形状を分析、解析して使っている人専用のANCを自動で生成してくれるリアルタイムANCなんです。
メーカーの呼称だと、耳道自動適応ANCというようですね。
今までが環境音を自動分析して、最適なノイキャン効果が出るように設定される環境適応型ANCはありました。
これは、今回のSOUNDPEATS C30にも実装されています。
ですが、耳の形状を瞬時に分析して最適解を出し、高効率なノイキャン効果を出すモデルというのはあまり聞いたことがありません。
SOUNDPEATSの挑戦的な点は、この新機能を最安価モデルのSOUNDPEATS C30に搭載してきたことにあります。
ちなみに、SOUNDPEATS C30の通常のノイキャン性能も、従来品で培ってきたノイキャン精度を維持しています。
SOUNDPEATS C30のノイキャン性能は公称値で最大52デシベルの減殺効果があるとされています。
実感としても40デシベル後半クラスの能力はあるので、場所によってはあながち間違っていない表記といえます。
というか、この記事をSOUNDPEATS C30で音楽を聴きながら書いていますが、音楽が流れているとノイキャンと相まってタイピング音が聞こえない程でした。
もちろん、音楽をとめて純粋にノイキャンのみにするとタイピング音が聞こえますが、それでも結構小さく聞こえるので同価格帯の中ではトップレベルのノイキャン効果を持っているのは間違いないですね。
今回のSOUNDPEATS C30はエントリーモデルながら、ノイキャンはアプリから4種類のモード選択が可能です。
・適応型ノイズキャンセリング
・室内ノイズキャンセリング
・屋外ノイズキャンセリング
・屋外交通
エントリーモデルでここまで多機能なのも珍しいですね。
SOUNDPEATS C30の外音取込機能
SOUNDPEATS C30の外音取込機能は可もなく不可もなく、ということでコスパ機とは思えない集音性の高さです。
音楽のボリューム次第でもありますが、会話も十分可能なので、最安価格帯のワイヤレスイヤホンから次のアンダー5,000円前後のエントリーモデルを探している方に、まずは諸々の機能を試していただきたいですね。
通常、アンダー5,000円以下のイヤホンの外音取込機能はあまり良くないので、期待はしていなかったのですが、これは想定外の収穫と言えそうです。
SOUNDPEATS C30のバッテリーもち
SOUNDPEATS C30のバッテリー持ちはイヤホン単体で10時間と超ロングバッテリーです。
さらに、ケース併用だと最大52時間というヘッドホン並のバッテリーもちを誇っています。
10時間あれば日本国内の移動なら大抵カバーできそうな感じがするので、旅のお供に一台持っておいても良いかもしれませんね。
ヘッドホンやロングバッテリータイプで50時間超のバッテリーを実現しているモデルは知っていましたが、SOUNDPEATS C30のような通常のカナル型イヤホンで、かつコスパ型で10時間の再生時間を確保していることには驚きました。
また、SOUNDPEATS C30には急速充電機能もあり、10分の充電で約3時間の再生が可能なんです。
充電切れしてしまっても、通勤片道分の再生時間を確保できるので、いざというときも安心です。
使っている途中で充電が切れた場合、高出力のモバイルバッテリーを持っていれば、それで急速充電が可能です。
今回、SOUNDPEATS C30が安価モデルだったので、急速充電機能は省かれただろうと思っていたら、普通に搭載されていて驚きました。
SOUNDPEATS C30のマイク・集音性能
SOUNDPEATS C30には6つのマイクを搭載し、さらにAIノイズリダクションまで搭載されています。
実際にテストしてみたところ、個体差の問題もあるかもしれませんが、実用性は十分の集音性を発揮していました。
もっとも、集音した音声を再生したところ、若干ノイジーに聞こえた点は価格なりな部分があると感じました。
ただ、AIノイズリダクションの効果は大きく、近くで洗濯機の駆動音がしているにも関わらず、この音は一切拾われていませんでした。
動画配信目的での購入はおすすめできませんが、ノイジーな側面だけ目をつぶれば、オンラインミーティング用としては必要十分な機能性を備えています。
SOUNDPEATS C30のその他の機能
SOUNDPEATS C30にはその他にも、マルチポイント、低遅延にできるゲームモード、タッチコントロールのオンオフ機能、カスタムキー設定、イコライザー機能、適応型EQなど、価格度外視の全部盛りです。
逆に搭載されていない機能はないのではないかと思えてしまうほどに全部盛りしてくれています。
搭載されていない機能としては、Qi充電機能が挙げられますが、SOUNDPEATSは他の製品でもQi充電には対応していないメーカーです。
また、他の製品に搭載されていたかまでは覚えていませんが、SOUNDPEATS C30には装着検出機能が搭載されていません。
個人的には必須の機能とまでは思えないため、特段困らないというか、むしろ、既存の機能を流用して価格を抑えてながらも全部盛りしてくれている点を評価したいと思います。
SOUNDPEATS C30イヤホンの口コミ・評判をレビュー♪
SOUNDPEATS C30の口コミ、評判を見ていきましょう。
SoundPeatsは中国メーカーですが、コスパに優れたイヤホンを次から次に発表する面白いブランドです。
新製品を出す度に驚きがあって、私は結構好き。
で、そんなSoundPeatsが今回もやってくれました!注文時点の金額は4,544円。TWSとしてはエントリークラス、かなり安いです。
それなのにANC有り、アプリ対応、LDAC対応と、欲しい性能は一通り揃っています。
ぶっちゃけこの金額であれば、アプリ非対応だったりコーデックがSBCとAACだけだとしても「まぁ安いからね」と納得してしまうところですが、本製品は妥協ナシ、そういう点は非常に好感持てます!で、一番肝心の音質ですが、この金額と言う点を考えたら充分以上です。
LDACでANCオンの状態で聴いた感想です。【低音】しっかり出ています。余韻少な目、音場は広くない。デジタルサウンドの癖は少し感じる。ただ全体的に上手にまとまっています。
【中間音】クリア、解像度高め。残響少なめ。しゃっきり歯切れの良い音。籠った感じはありません。粒が立っていてクール系のサウンド。
【高音】かなり伸びる。こちらも解像度高め。サ行やシンバルの音が耳に刺さる事は無いが主張強め。音が重なる時など少し処理が甘く感じる事あり。EQは弄らず聞いた限りでは、弱ドンシャリ傾向。メリハリあって楽しい音です。
当たり前ですが本製品の10倍近くする各社フラッグシップ機と比べたらかなり見劣りします。でもそれは金額を考えたら当たり前の話。
むしろこの金額でここまで音が出ているのは正直驚き。
TWS初めての方や、そこまで音に拘りが無いって人であれば、充分満足出来るレベルです。ただどうしても気になったのは、ANCをオフにした際の音。
通常ANCをオンにすると音が痩せ、オフにした方が高音質なのですが、本製品はANCをオフにすると途端に音が痩せます。
具体的に書くと、低音がスカスカになるし、中間音は籠るし、高音は空洞の中で共鳴しているような、聴くに堪えない酷い音になります。
ここまで違ってしまうのは機械的な問題と言うよりもソフトウェアの問題?
今後改善があるかもしれませんし、私の環境の問題かもですが、ANCオフでは使い物になりませんでした。その他気が付いた点は以下にまとめます(一部既に書いた内容との重複あり)
〇 コスパ最高! この金額で嬉しい機能テンコ盛り、素晴らしいの一言!
〇 金額を考えたら音質は充分以上。
△ イヤーピースはSML(Mは標準装着)、もう少し細かく調整したいところですが、この価格帯ではSMLの3種は一般的。
〇 ケースは丸っこくて可愛らしい。シボ加工されておりSoundPeatsの「S」のロゴが掘られています。高級感とまでは言いませんが「良いモノ感」は出ています。う~ん、あまり悪い点無いですね。
多少悪い事も書かないと提灯記事になってしまうので、少し無理矢理ですがひとつだけ指摘するなら、私個人がSoundPeatsに感じるのは「買い時が分からない」です。
SoundPeatsって次から次に新製品出すんですよね。私の感覚ですが2ヶ月に1個だしている気がします。
もちろん金額帯が違うとか、耳への装着方法が違うなど、同じシリーズの後継機を出している訳ではないのですが、次々に新作を出すので買った後に「え、もう次が出たの!?」と言うガッカリ感を味わう事になります。
素晴らしい新作を生み出し続けるSoundPeatsは素晴らしいと思いますし、それこそが魅力のブランドだと思いますが、「所有する喜び」は正直ちょっと乏しいと思います。と、まぁ、最後にネガティブな評価をひねり出して書きましたが、良い製品ですよ!!!
引用元:Amazon”SOUNDPEATS C30”レビューより
たしかに、SOUNDPEATSの製品サイクルは非常にスピーディーというのは私も感じているところでした。
ですが、そこは好みのデザインや好みのタイプ(イヤーカフとかカナル型とか)ごとに買うかどうか判断したり、1年に一回だけ買ったりと人によってスタンスは違うと思います。
私なんかはブロガーというポジショニングのお陰で、SOUNDPEATSをはじめとする色々な企業様のイヤホンを聴いてきて、中には全世代聴いてるんじゃないかというメーカーもあります(そのうちの一つがSOUNDPEATSさんなんですけどね)。
そうすると、例えばあるときは、音質面は趣向を凝らして低音ブーストをかけてきたり、かと思えばBAドライバーを搭載して高音に力を入れたモデルを出してきたりと、微妙に変化をかけてきているのが分かるんですね。
他方で、製品サイクルが速いので、機能面については伸びしろを感じにくくなってきた面も感じられます。
ただ、これはワイヤレスイヤホン業界特有のボトルネックのようなもので、各社、独自機能の搭載が中々難しくなってしまって、結局、音質や外音取込機能、ノイキャン性能を底上げするところに注力せざるを得なくなっているんですよね。
とはいえ、ワイヤレスイヤホン業界の老舗であるSOUNDPEATSからはヘッドホンが出たりとメーカー独自の工夫を頑張っていて、今回のSOUNDPEATS C30についても、低価格でどこまで盛り込めるか、みたいなところをテストしていたのかもしれません。
高いイヤホンを買って音質が良い、というのは当然の話で、コストを抑えてどこまで音質を維持できるかというのは、純粋なメーカー側の企業努力の賜物だと思います。
それを体現しているのが、SOUNDPEATSということですね。
SOUNDPEATS C30のメリット・デメリット
デメリット
・LDAC時は高音がやや強めで疲れやすい場合あり(刺さり感に注意)
・マイクは実用十分だが質感は並(配信用には物足りない・少しノイジー)
・ケースの質感は良いが、構造に安っぽさを感じてしまった
メリット
・価格破壊コスパ:定価アンダー5,000円クラスで機能てんこ盛り。
・音質が良い:12mmチタン複合ドライバーで低音は力強く、高音の抜けも良好、解像度も同価格帯以上。
・ハイレゾ対応:この価格でLDAC対応。
・強力ANC:耳道自動適応(インテリジェントANC)+4種モード。体感でも上位クラスに迫る遮音。
・超ロングバッテリー:単体最大10時間/ケース併用最大52時間+10分充電で約3時間再生。
SOUNDPEATS C30をおすすめしたい人
予算1万円未満で全部入りの初めてのワイヤレスイヤホンが欲しい人には、まずC30を候補の先頭に挙げたいですね。
LDAC対応、強力ANC、長時間再生という上位機の三種の神器を、通勤・自習・カフェ作業で毎日使えるレベルで体験できます。
低音が効いたメリハリ系サウンドでポップス、EDMと相性良好で、映画はムービーモードで臨場感を手軽に盛れるのも良いなと思えるポイント。
Android勢は特にLDACの恩恵を感じやすく、iPhone勢でも価格対比の音質とANCの強さで満足度は高いはずです。
さらに単体10時間、急速充電で充電忘れに強く、マルチポイント・ゲームモード・EQなどアプリ機能もきちんと網羅。
一方で、Qi充電や装着検出まで欲しい人、配信向けの超クリアな通話品質が必須、高音に敏感で長時間は疲れやすい人は、上位機や別系統を検討するとギャップが出にくいです。
総じて、迷ったらこれと言える完成度の高コスパ機、価格を超える体験の底上げを狙う人に刺さる一台です。
【実機】SOUNDPEATS C30を開封
SOUNDPEATS C30を開封していきましょう。
こちらがSOUNDPEATS C30のパッケージです。

SOUNDPEATS C30の同梱物一式がこちらです。


こちらがSOUNDPEATS C30ケースです。

丸みを帯びたケースが特徴です。



SOUNDPEATS C30イヤホンがこちら。






【実機】SOUNDPEATS C30レビュー♪迷ったらこれを買っておけばOKという価格破壊的な一台まとめ
今回は、SOUNDPEATS C30を実機レビューしました。
SOUNDPEATS C30は定価もエグい価格設定ですが、セール時価格はもっとエグかったです。
ここまで機能性、音質を盛り込んでこの価格で提供できるのかと驚嘆しました。
純粋に、SOUNDPEATS C30の利益率や損益分岐点が気になってしまうほど。
音質も価格対比でみると、同価格帯の比ではありません。
機能性もノイキャンや外音取込機能と満載なのも嬉しいポイントですね。
特にノイキャンはこの価格では味わえない深いノイキャンを体感できるので、ノイキャン目的で買っても面白いと思います。
総じて、ダメ出しポイントの少ない超コスパ型イヤホンでした。

